『米欧中では過熱する量子コンピュータ投資、見劣りする日本』

皆さん、こんにちは。
今日は気になる記事を見つけました。

日本の最新のコンピュータ技術に対する政府の姿勢についてです。
以下は日経コンピュータから。

米欧中では過熱する量子コンピュータ投資、見劣りする日本(2017/07/05)
https://tech.nikkeibp.co.jp/it/atcl/column/17/062900267/062900002/

 米国で量子コンピュータの研究に多額の投資が集まり始めた。量子コンピュータのスタートアップ企業である米リゲッティ・コンピューティングは2017年3月に6400万ドル(約70億円)の資金調達に成功した。

 「米国の活発な投資に続けとばかりに、世界中で量子情報分野の研究が加速している」と、スピン量子ビットを使った量子コンピュータを研究する東京大学の樽茶清悟教授は話す。産業応用について不確実性を抱えながらも、世界は投資競争を過熱させている。

 欧州で特に資金を獲得しているのが、インテルから出資を受けているオランダの研究グループ「QuTech」だ。同社はオランダ政府からも2015年に10年間で1億3500万ユーロ(約162億円)の研究費を得ている。

 このほか英国は2013年に英国工学・物理科学研究会議(EPSRC)に5年間で2億7000万ポンド(約378億円)を量子コンピュータ関連の研究費として出資。欧州連合(EU)欧州委員会の研究プロジェクト「量子情報フラッグシップ」は10年間で10億ユーロ(約1200億円)を量子コンピュータ関連に拠出する。

 ダイヤモンド基板を使ったスピン量子ビットを研究する横浜国立大学の小坂英男教授は「最も活発なのは中国だ」と話す。中国は量子情報を国の4大重点科学技術の一つに位置付け、2015年に中国科学院に量子計算実験室を設置している。

 日本の研究プロジェクトである内閣府による革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)では、山本喜久プログラム・マネージャーらのグループがレーザーネットワーク型の新型量子コンピュータ「量子人工脳」を開発している。ただし、プロジェクト資金は5年間で30億円ほどで、米欧中と比べ一桁以上少ないのが現状だ。

 基礎研究では存在感のある日本だが、実用化に向けた資金面では大差がついた格好だ。小坂教授は「今、乗り出さなければ技術とノウハウで海外に決定的な差をつけられる」と危機感を露わにする。

 こうした背景から文部科学省は量子科学技術委員会を発足して新たな量子情報の研究プロジェクトを2018年にも始める。科学技術振興機構(JST)でも複数の研究プロジェクトが動いていて、総出資額は5年間で100億円に及ぶとみられる。

記事の内容は新しい技術である量子コンピュータの分野への投資が、日本では米欧中に比べて大きく遅れているという内容です。
この記事を読んで私が考えたことは、日本の将来の技術力について大きな危惧を持たなければならないということです。
未来への技術については、すぐに成果が見えたり利益が出たりといったことは難しいので将来性の高さを見極めることが大変かもしれませんが、欧米諸国や中国よりも一桁も少ない研究開発費用ということになるなら技術力で将来差をつけられてしまうことは明らかなように思います。

やみくもにむやみに政府が新しいものへ資金を投じるというのは良くないとは思いますが、こういった最新の分野への研究開発投資への差が将来の日本と他の先進諸国との技術力の差になると思えば、予算は惜しむべきではないと思います。
日本の将来性への不安が、われわれの国の未来の経済や人々の消費にも影響を与えることを考えれば、非常に重要な内容も含まれるニュースだなと思いました。